家づくりに必要なのは10ヶ月の時間。でもその10ヶ月が、家族の“未来の当たり前”をつくってくれる。#column
この記事を読めば分かること
- 家が建つまでにかかるリアルなスケジュール
- それぞれの工程で“実際に何をするのか”
- 家づくりで後悔しないためのタイミングと準備
はじめに:あの日の「ただ見に来ただけ」が、未来の第一歩だった
「見に来ただけなんですけど…」
はじめて住宅展示場に足を運んだ日のあなたは、営業担当の優しい笑顔に、ちょっと申し訳なさそうにそう言っていたかもしれません。
でも、玄関のドアを開けて数秒後、すべてが変わりました。
吹き抜けの天井から差し込むやわらかな光。
木の香りに包まれた無垢材の床。
そして、大きな窓の向こうに見えた、未来の家族の笑顔。
「こんな家に、住んでみたいな」
その瞬間、あなたの家づくりは、静かに始まっていたのです。
第1章:夢を描くだけで1ヶ月はあっという間に過ぎていく
家づくりのスタートは、“具体的に決めること”ではなく、“想像すること”から始まります。
Instagramで「#マイホームアカウント」を検索して夜中まで見続けたり、住宅展示場で見た間取りを思い出してノートに描いてみたり。
気づけば、あなたのカメラロールは理想のキッチンやリビングの写真でいっぱいになっていた。
この時間は、無駄じゃありません。
むしろ、ここでイメージを膨らませることが、後の打ち合わせや決定のスピードを早める“準備期間”なのです。
第2章:「土地」と「誰に頼むか」は、すべての土台(2〜3ヶ月)
あなたがどんなに素敵な家を思い描いても、それが建つ“場所”と“パートナー”が曖昧だと、現実にはなりません。
学校、通勤距離、実家との距離…条件を洗い出すほど、土地探しは難航します。
さらに、「どの会社にお願いするのか」も悩みどころ。安さ?信頼?営業さんの人柄?
ある週末、土地を見に行った帰り道。助手席で資料を眺めながらあなたはつぶやきます。
「ねぇ、この場所って…一生住むんだよね?」
その言葉に、ハンドルを握るパートナーが黙ってうなずく。
家づくりは、「選ぶ」ことの連続です。
でもその選択は、あなたと家族の未来に直結しているんです。

第3章:「間取り決め」は、まるで家族の生活を何度もシミュレーションするような時間(1〜2ヶ月)
打ち合わせが始まると、いよいよ“現実”が動き出します。
あなたは、A3の図面に赤ペンを走らせながら、「ここに収納が足りない気がする」「この動線、洗濯のとき大変そう」と何度も書き直します。
キッチンの高さ、コンセントの位置、寝室の窓の向き…。細かすぎるほど細かく決めていきます。
夜、テーブルに広げたサンプルの床材を前に、「こっちの色もいいなぁ…」と悩むあなたに、子どもが無邪気に言います。
「ねぇ、ボクの部屋はどこになるの?」
家の話をするたびに、少しずつ「家族のかたち」も整っていくような、不思議な時間です。
第4章:工事が始まると、夢は“家”に変わっていく(4〜6ヶ月)
打ち合わせがすべて終わり、申請が通れば、ようやく着工。
いよいよ、目に見える変化が始まります。
初めて基礎工事を見た日、あなたは言います。
「なんか…ほんとに建つんだね」
それは、自分でも驚くくらい実感のこもった言葉だった。
上棟の日。大工さんたちが柱を組み、屋根の骨組みがどんどん出来ていく様子に、思わず見入ってしまう。
夕陽に照らされた、骨だけの家。その中に立ってみると、まだ家具も壁もないのに、なぜか「もうここに暮らしている気がする」。
これが、家づくりの魔法です。
第5章:鍵を渡された日、あなたは静かに涙ぐむかもしれない(1ヶ月)
完成検査が終わり、設備の使い方を説明され、最後に鍵を受け取った瞬間。
あなたの表情が、ふっとやわらかくなる。
リビングに立ち尽くす家族。まだ何もないのに、すでに「我が家」という空気が流れている。
窓から見える街も、いつもの場所のはずなのに、少し違って見える。
新しい生活が、いよいよ始まる。
この10ヶ月、迷いも焦りもあったけれど、あのとき決断して本当によかった──
その日、あなたは静かに、そう思うのです。
まとめ:家づくりは「時間をかけるほど、深くなる」もの
家を建てるまでの道のりは、おおよそ10ヶ月〜1年。
決して短くはありません。
でも、その時間は決して“ただの待ち時間”じゃない。
あなたの理想と、家族の思い出と、未来の暮らしを積み上げていく、大切な準備期間です。焦らず、でも後悔しないように。
今、あなたが一歩踏み出せば、それはもう“家づくりのはじまり”です。