収納の正解は“多さ”じゃない。家づくりで9割が見落とす、“暮らしにちょうどいい”収納の考え方とは?#column

🔍この記事を読めば分かること

  • 注文住宅で「ちょうどいい収納」を見つける具体的な方法
  • 「収納が多すぎて不便」「足りなくてイライラ」を防ぐコツ
  • 間取りと動線にフィットする収納設計のヒント
  • 家族構成別・収納スペースの目安
  • 使いやすくてラクになる収納のアイデア実例

🏠はじめに

あなたは「収納は多ければ安心」と思っていませんか?
でも実は、それが落とし穴。

家を建ててから「しまった!」と後悔する人の多くは、“収納の量”ではなく“使い勝手”でつまずいているんです。

たとえば、引き出しの奥に入れたモノが出てこない。季節物の収納場所が遠くて面倒。生活動線からズレた場所にしか収納がなくて、毎日ちょっとずつストレスを感じる…。

この記事では、そんな後悔をしないために、**あなたの暮らしにフィットする「ちょうどいい収納の考え方」**を、エピソードや事例とともにやさしくお伝えします。

🚪「大きな収納があっても、使えなきゃ意味がない」

30代の佐藤さん夫婦は、理想のマイホームを建てました。収納にはこだわり、寝室に3帖のウォークインクローゼット、玄関にはシューズクローク、キッチン横には1帖のパントリーも完備。

ところが暮らし始めて半年後。
「ウォークインの奥にある服、1度も着てない」
「シューズクロークが物置状態で、靴が出しにくい」
「パントリーが深すぎて、賞味期限切れの缶詰がゴロゴロ…」

収納の“量”はじゅうぶんなのに、“使いやすさ”が追いついていなかったのです。

🧱一方、収納が少ないとこうなる

逆に、「収納を削った」40代の高橋さん家族。なるべく部屋を広くとりたくて、収納は最低限に。

結果どうなったかというと――
・洗濯機まわりにタオルを置く棚がなく、毎朝探す羽目に
・子どもの学用品がリビングに散乱
・掃除機の置き場所が決まらず、いつも見えるところに…

つまり収納は、「ないと困るし、ありすぎても使いこなせない」――
量ではなく、必要なところに、必要なだけあることが大事なんです。

📏「あなたに合った収納量」はこうやって決める

収納の目安は、「1人あたり1帖〜1.5帖」と言われます。
家族人数ごとの目安をまとめるとこんな感じ:

家族人数目安の収納スペース
1人1〜1.5帖
2人2〜3帖
4人4〜6帖

でも、これだけじゃ足りません。

ポイントは**「何をどこで使うか」**です。
たとえば、洗濯をして干す→たたむ→しまう…という流れが1ヵ所で完結するなら、毎日の手間がグッと減りますよね?

🧭収納で失敗しない!4つの鉄則

① “使う場所の近くに”収納をつくる

→料理道具はキッチン、掃除道具は廊下や洗面所、制服やバッグは玄関近く。移動の手間が省けます。

② “しまいやすさ”を第一に考える

→出しやすさより、しまいやすさ。子どもが自分で片づけられる高さ・広さ・仕組みをつくるのがコツ。

③ 収納に“名前”をつける

→「パントリー」「おもちゃ棚」「家族の書類コーナー」など、役割を明確にすると自然とモノが集まります。

④ “奥行きは浅め”にして見える化

→深すぎる収納は、奥に何があるか分からなくなる。使いやすさ重視なら奥行き30〜45cm程度がベスト。

🧠暮らしがラクになる収納の工夫【事例編】

■事例①:「洗う・干す・しまう」が一歩で完結

脱衣所→ランドリールーム→ファミリークローゼットが一直線につながった間取り。洗濯動線が1/3になり、「洗濯が面倒くさくなくなった!」と喜ばれています。

■事例②:「見える収納」と「隠す収納」を使い分け

お気に入りの食器や本はオープン棚に、生活感の出る日用品は扉付きの収納に。インテリアにもなるし、急な来客でも慌てずに済みます。

two black metal framed beige padded chair with round coffee table

📦人気の収納スペース5選(暮らし別)

収納スペースこんな人におすすめ
ファミリークローゼット洗濯動線をラクにしたい、服の管理をひとまとめにしたい人
パントリーまとめ買いが多い、災害対策にも備えたい人
シューズクロークベビーカーやゴルフバッグもスッキリ片づけたい人
階段下収納スペースをムダなく使いたい、季節物を収納したい人
リビング収納書類・充電器・リモコンなど細かい物の定位置をつくりたい人

🎯収納づくりに迷ったときのチェックリスト

  • □ どの場所に、どんな物を使うかイメージできている?
  • □ 毎日使うモノは、動線上に収納できている?
  • □ 家族が自然に片づけられる仕組みになっている?
  • □ 将来の暮らし(子どもの成長・仕事の変化)にも対応できそう?
  • □ 見た目と使いやすさ、どちらもバランスが取れている?

✅まとめ:収納は“人生の動線”をデザインすること

収納は単なる「しまう場所」ではなく、毎日の暮らしをラクに、気持ちよくする仕組みです。

あなたの収納が、暮らしの邪魔になっていませんか?
それとも、家族みんなの動きを支えてくれていますか?

大切なのは、
「あなたがどこで、どう使うか」から考えること。

家づくりのなかでも見落とされがちな収納こそ、暮らしの質を左右する一番のポイントです。